所得控除とは、一定の要件にあてはまる場合、所得の合計から一部を差し引いて課税対象の金額を下げることができる制度のことです。
会社員の方であれば、毎月の給与明細に所得税の金額が記載されているはずです。
この所得税は、給与から天引きされていて会社が従業員本人に代わり、税務署へ納税をしていていて、簡単に言うと「(収入-経費-所得控除)×税率」で計算されます。
つまり、所得控除が大きければ大きいほど、納めるべき所得税額は低くなります。
そのため、どういった場合に所得控除になるのか知っておいて損はないでしょう。
そこで今回は社会人なら知っておきたい所得控除の12のポイントを解説します。
目次
所得控除について知っておきたいこと
支払ったお金に関する6つの所得控除
会社員の方が、1年間に支払ったお金に関する控除が以下の6つです。
ポイント1:社会保険料控除
社会保険料とは、国民年金保険料・国民健康保険料・健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などを指し、これらの保険料を支払ったり、給与から天引きされたりした場合、その支払額全額を所得から差し引くことができます。
ポイント2:生命保険料控除
生命保険料控除とは、医療保険や個人年金などの生命保険料を支払っている場合、1年間の合計額のうち、12万円を上限に所得から差し引くことができるものです。
家族の保険料も負担している場合、家族の分も含めることができます。
ポイント3:地震保険料控除
地震保険料控除は、地震保険料を支払っている場合、5万円を上限に所得から差し引くことができるものです。
ポイント4:医療費控除
病院の診療費や薬代などの医療費の自己負担額が1年間に10万円を超えている場合、超えている分を所得から差し引くことができる制度を医療費控除といいます。
また、家族の分も含めることができます。
ポイント5:寄付金控除
国や地方自治体などに寄付をした場合、寄付額のうち一定額を所得から差し引くことができます。
ニュースなどで話題になる「ふるさと納税」も寄付金控除に含まれます。
ポイント6:小規模企業共済等掛金控除
個人事業主などが加入する小規模企業共済の掛け金やiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金を支払った場合、全額を所得から差し引くことができます。
人に関する6つの所得控除
家族など、人に関する所得控除が以下の6つです。
ポイント7:基礎控除
基礎控除とは、日本で所得税が課税される全員が等しく適用される所得控除のひとつで、一律38万円です。
ポイント8:配偶者控除
配偶者のその年の合計所得が38万円以下であれば、配偶者控除を受けることができます。
つまり、配偶者のその年の給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除65万円を差し引くことで合計所得が38万円以下となり、配偶者控除を受けられます。
ただし、平成30年以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得が1000万円を超える場合、配偶者控除を受けることができません。
ポイント9:配偶者特別控除
配偶者特別控除とは、配偶者が給与収入のみで103万円を超える場合、つまり所得38万円を超える場合は前述の「配偶者控除」を受けられませんが、配偶者と納税者の所得額に応じて、納税者の所得から一定額を差し引く制度です。
ポイント10:扶養控除
配偶者以外の子や親などの親族で、生計を同じくしている人を扶養親族といいます。
16歳以上の扶養親族のうち、所得が38万円以下(給与収入のみで103万円以下)の人がいる場合、一定額を差し引くことができ、また、扶養親族の年齢によって控除額に差があります。
ポイント11:障害者控除
納税者本人、または配偶者や扶養親族に一定の障害がある場合、障害の種類に応じた所得控除を受けることができます。
ポイント12:寡婦(寡夫)控除
納税者本人が配偶者と死別、または離婚したまま独身である場合、一定額を所得から差し引くことができます。
ただし、寡夫の場合、生計を同じくする子がいることが条件です。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は社会人なら知っておきたい所得控除の12のポイントを解説しました。
所得控除は大きければ大きいほど納めるべき所得税額が低くなります。
自分の場合、どの所得控除が適用になるのか、今一度確認しておきましょう!