年末調整とは、本来徴収すべき所得税の1年間の総額を年末に再計算し、天引きしていた合計額と比較することで、「過不足金額」を導き出すことをいいます。
年末調整の結果、余分に天引きされていた場合、その差額は従業員本人へ還付されます。
この年末調整はサラリーマンの年末の風物詩ともいえますが、ちゃんと制度の内容や必要書類を知っていますか?
意味がわからないままだと、ちゃんと手続きすることで本来還付される税金を余計に支払っているかもしれません。
そこで今回は、社会人なら知っておきたい年末調整の7つのポイントを解説します。
改めて年末調整に対する理解を深めてみてください。
目次
年末調整について知っておきたいこと
①所得税は概算金額が毎月、源泉徴収されている
所得税は1月1日から12月31日までの所得に対して課税されるのですが、会社員の場合、毎月の給与から源泉徴収される形で支払われています。
従業員本人に代わり、会社から税務署へ税金を納めているため、普段はあまり意識することがないかもしれません。
毎月源泉徴収されている所得税は概算であり、毎年12月に年末調整を行うことによって初めて金額が確定します。
そのため、年末調整の手続きをしっかりしないと、本来よりも多く税金を払ったままになる可能性があります。
②年末調整では生命保険料や地震保険料を申告することで所得控除になる
年末調整では、従業員本人が支払っている生命保険料・介護保険料・地震保険料・確定拠出年金掛け金を申告することで所得控除になります。
所得税は所得の多寡に応じて課税される税率が違うので、所得控除により「課税所得」が下がることで納めるべき税金が下がります。
ですので、各種保険料等を支払っている場合は、必ず年末調整で申告するようにしましょう。
③2016年以降はマイナンバー記載が必要に
2016年(平成28年)以降は、一定の理由をのぞき、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、本人と控除対象の配偶者及び扶養親族等のマイナンバーの記載が必要となりました。
年末調整の季節である12月が近づいてきたら、「マイナンバーカード」か「通知カード」を準備しましょう。
④2018年(平成30年)以降は3枚の書類に記入が必要
2018年(平成30年)以降の年末調整は、3枚の書類に記入することになります。
それは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」の3つです。
⑤「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は配偶者等がいなくても提出が必要
ひとつめの「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、来年の所得税を決める大切な書類なので、しっかりと配偶者や扶養親族等の情報を記入します。
こちらは配偶者や扶養親族等がいなくても、サラリーマン全員が提出する必要があるので注意しましょう。
⑥「給与所得者の保険料控除申告書」は証明書を見ながら記入する
ふたつめの「給与所得者の保険料控除申告書」は、今年の生命保険料控除を申告し、税額を確定するためのもので、各種保険料等の証明書を見ながら記入しましょう。
この証明書は12月近くになると保険会社から自宅へ郵送され、年末調整の書類を会社へ提出する際に必要になるのでなくさないようにしましょう。
⑦「給与所得者の配偶者控除等申告書」も同じく全員が提出する必要がある
「給与所得者の配偶者控除等申告書」は、今年の配偶者控除等を申告して、税額を確定する書類ですので、しっかりと記入しましょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は社会人なら知っておきたい年末調整の7つのポイントを解説しました。
もういちど振り返ると
①所得税は概算金額が毎月、源泉徴収されている
②年末調整では生命保険料や地震保険料を申告することで所得控除になる
③2016年以降はマイナンバー記載が必要に
④2018年(平成30年)以降は3枚の書類に記入が必要
⑤「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は配偶者等がいなくても提出が必要
⑥「給与所得者の保険料控除申告書」は証明書を見ながら記入する
⑦「給与所得者の配偶者控除等申告書」も同じく全員が提出する必要がある
年末調整は毎年12月に最終的な所得税を決める、サラリーマンには必須の手続きです。
各種保険料は申告することで所得控除になり、納めるべき税金が減るのでしっかり記入するようにしましょう!