所得税とは、収入から必要経費(給与所得控除)を差し引いた後、さらに所得控除(社会保険料控除や扶養控除等)を引いた金額に対して、課税所得額に応じた一定の税率で課される税金です。
一般的に会社員であれば給料から天引きする形(源泉徴収という)で、会社が代わりに税務署へ支払いをしているので税金を納めてる感覚が薄いかもしれません。
いったいどんな仕組みで自分の税金額が決まっているのか、社会人として知っておいて損はないでしょう。
そこで今回は、所得税について社会人として知っておきたい5つのポイントを解説します。
目次
所得税について知っておきたいこと
①所得税は国税のひとつ
税金は納める先によって国税と地方税の2つに分かれます。
国税は国に納める税金なので、管轄しているのは税務署です。
一方、住民税などの各都道府県や各市町村に納める税金を地方税と言います。
②所得税は1月から12月までの所得に対して計算される
所得税は、1月1日から12月31日までの所得に対して計算され税金を納めることになります。
一方、住民税は前年の所得に対して計算され、6月から翌年5月までの住民税が決まります。
例えば、平成30年4月に入社した新入社員の場合、平成30年分の所得税は平成30年1月1日から12月31日までの所得に対して課税されます。
対して住民税は、平成30年1月1日から12月31日までの所得に対して課税され、平成31年6月から納めることになります。
③所得税は会社に天引きされ、年末調整をすることで最終的な税金が決まる
会社員であれば、所得税は毎月の支払われる給与から天引きされています。
その天引きされている金額と、1年間の給与総額に対する税金は同額ではないことがあります。
これは年の途中で給与が変動したり、扶養対象親族の数が変わったりする場合があるからです。
また、生命保険料や地震保険料などを払っている場合、保険料の控除を受けることができるのですが、これは年末に申請をし、一度に控除することになっています。
勤めている会社から年末近くになると年末調整の説明と申告書の提出を求められると思いますが、これは最終的な税金の金額を計算するために必要な手続きなのです。
年末調整を行うことによって、最終的な税金が決まり、所得税を納払いすぎていた場合は還付されることになります。
④日本の所得税は累進課税
日本の所得税は、課税所得(所得税の対象の金額)が増えるほど、より高い税率を課する「累進課税」方式を採用しています。
つまり、高所得な方ほど課される税率が高いのです。
例えば、課税所得が195万円以下であれば税率は5%ですが、4000万円を超えると税率が45%になります。
⑤会社員には給与所得控除がある
所得税の対象となる課税所得は、収入から「必要経費」と「所得控除」を差し引くことで計算することができます。
会社員の場合、必要経費として「給与所得控除」が認められています。
給与所得控除とは、会社員が仕事のために自己負担で筆記用具やスーツなどを用意することに対して、給与収入額に応じた一定額を差し引くことができる制度です。
また所得控除は、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除などが対象で、必要経費差し引き後の収入から更に差し引くことができるものです。
つまり、課税所得(この金額に応じた税率を掛けることになる)は下記の式で計算することができます。
課税所得=支給額-給与所得控除-所得控除
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は所得税について社会人なら知っておきたい5つのポイントを解説しました。
もういちど振り返ると
①所得税は国税のひとつ
②所得税は1月から12月までの所得に対して計算される
③所得税は会社に天引きされ、年末調整をすることで最終的な税金が決まる
④日本の所得税は累進課税
⑤会社員には給与所得控除がある
所得税は、会社員であれば勤務先から天引きされるので、税金を納めている感覚は薄いかもしれません。
ですが、今一度自分の給与明細の数字を確認してみてはいかがでしょうか。