今後30年以内に発生する確率が約70~80%と言われている南海トラフ地震。
最大M9.1とも予想される南海トラフ地震では最悪の場合、死者は東日本大震災の約17倍の約32万3000人が想定されています。
そんな大地震が起きたときに自分の身を守る対処法を皆さんはご存知ですか?
今回は地震の揺れを感じたときに身を守る15の対処法を解説します。
目次
揺れを感じたときに身を守る対処法
まず姿勢を低くする
姿勢を低くすることにより、地震の揺れによる転倒を防止できます。
体や頭を守る
頭を保護し、落下物の直撃を避けるため机などの下へ避難しましょう。
隠れる場所がない場合は、カバンや本、枕、クッションなど身近なもので頭を守りましょう。
頭を守るものがないときは、手のひらを下にして頭を両手で覆う
落下物の頭への直撃を避けることができ、手の内側の動脈を切らないようにすることができます。
揺れが収まるまで動かない
揺れている間に動くのは転倒することがあり危険ですので、その場に留まり動かないようにしましょう。
あわてて外に飛び出ない
建物の外はガラスなどが落下してくる可能性があり危険ですので、あわてて建物の外に飛び出ないようにしましょう。
無理に火を消そうとしない
揺れているときに無理に火を消そうとして、高熱の油や熱湯でやけどをしてしまう可能性があります。
現在のガスのマイコンメーターは震度5以上の揺れを感知した場合、自動的にガスを止めてくれる機能があるので、あわてて無理に火を消そうとしないようにしましょう。
場所ごとの身を守る対処法
寝室:枕や布団で身を守る
寝室は、1日のうち約3分の1を過ごす場所なので、地震が起きたときに寝室にいる可能性は高いといえます。
寝室で寝ているときに地震が起きた場合、頭を守るために布団をかぶり、丸くなって揺れが収まるのを待ちましょう。
阪神淡路大震災では、地震発生時間が5時46分と早朝で寝ていた人も多く、倒れてきた背の高いタンスなどによって窒息したり圧死したりすることが少なくありませんでした。
地震発生時に背の高い家具がベッドに倒れてこないよう、普段の家具の配置を見直すことをおすすめします。
台所:テーブルの下へ避難する
台所は包丁や鍋、食器類、火や熱湯などの危険が溢れています。
そのような危険から身を守るために、テーブルの下へ避難し、揺れで体が外へ出ないようにテーブルの脚をつかみましょう。
テーブルがない場合は、火のそばを離れ、頭を抱えるか空の鍋などでカバーしてうずくまりましょう。
居間:ソファの陰に身を隠しクッションで頭を守る
ソファの陰に身を隠して自分の頭より高い場所にソファがくるようにしましょう。
なぜならソファが防御壁になり、家具が倒れてきても下に生存空間ができるからです。
会社:デスクの下へ避難する
オフィスは会社員であれば日中の大半を過ごす場所ですが、パソコンやラック、キャビネットなど、地震により凶器に変身するものがたくさんあります。
そのため、オフィスにいるときに地震が発生したときは、デスク下へ避難することが大切です。
普段からデスクの下に荷物を置かないようにし、地震が起きたときに避難できるようにしましょう。
路上:頭上に注意し大きな建物に一時避難する
ガラスの破片や看板などの落下物から身を守るために、持っているカバンなどで頭を守り、大きな建物の中へ一時避難するのがいいでしょう。
また、自動販売機や電柱、切れた電線などにも注意しましょう。
エレベーター:最寄りの階で降りる
地震でエレベーターのワイヤーがすべて切れて落下するということはまず起きないので、落ち着いて対処することが大切です。
1998年以降に設置された新しいエレベーターには地震を感知すると、自動的に最も近い階に停止し、ドアが開く「地震時完成運転システム」が装備されています。
もし、「地震時完成運転システム」がついていない古いエレベーターや上手く作動していない場合は、すべての階のボタンを押し、停止した階でエレベーターを降りましょう。
また、エレベーター内に閉じ込められてしまったときは、インターホンや非常用電話を使って外部に連絡をとり救助を待ちましょう。
東日本大震災時には、東京都内でのエレベーター閉じ込めの救出に最大9時間以上かかった例もあるようです。
長時間の閉じ込めに遭遇したときに備えて、カバンには常に飲料水を携帯しておくといいかもしれません。
車:道の端に停めてキーはつけたまま
運転中に地震が起きた場合、まず追突されないようにハザードランプをつけ、注意しながら減速して、いったん車を止めましょう。
可能であれば、緊急車両の妨げにならないように幹線道路や交差点を避けて、駐車場や空き地、道路の左側に寄せて停車するといいです。
避難が必要な場合はいざというときに移動ができるようにエンジンを切り、キーをつけたままドアをロックせず、窓は閉めたままにして避難しましょう。
高速道路でも同様で徐々に減速し、できれば左側に停車し、中央部分を緊急車両用に空けておくようにしましょう。
店舗:カバンや手で頭を守り、しゃがんで姿勢を低くする
スーパーや百貨店では天井に吊るしてある看板や陳列棚から商品が落ちてくるため、カバンや手で頭を守り、しゃがんで姿勢を低くするといいでしょう。
また映画館にいた場合、座席をたたみ、頭を守りつつイスとイスの間に身を隠すようにしゃがみ込みましょう。
揺れが収まり避難するときには、係員の指示に従ってパニックに陥らず、落ち着いて行動するようにしましょう。
海岸:急いで高台へ避難する
2011年3月11日の東日本大震災では津波により大きな被害がありました。
津波は地面に沿って高いところまで上がってきます。
津波の駆け上がる高さは津波の高さの2~4倍になることが過去の調査から分かっているので、2mの津波では標高2m以上の場所にいれば安全というわけではありません。
気象庁は地震発生から約3分を目標に津波警報・注意報を発表しますが、震源が近くだと津波警報が間に合わない場合もあるので、大きな揺れを感じたら津波警報などの情報を待つことなく避難行動することが大切です。
また、陸地では津波は時速40㎞ちかい速さで進むこともあるので、津波を確認してから避難をしても逃げ切れません。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
地震の揺れを感じたときに身を守る15の対処法を振り返ると
・まず姿勢を低くする
・体や頭を守る
・頭を守るものがないときは、手のひらを下にして頭を両手で覆う
・揺れが収まるまで動かない
・あわてて外に飛び出ない
・無理に火を消そうとしない
・寝室:枕や布団で身を守る
・台所:テーブルの下へ避難する
・居間:ソファの陰に身を隠しクッションで頭を守る
・会社:デスクの下へ避難する
・路上:頭上に注意し大きな建物に一時避難する
・エレベーター:最寄りの階で降りる
・車:道の端に停めてキーはつけたまま
・店舗:カバンや手で頭を守り、しゃがんで姿勢を低くする
・海岸:急いで高台へ避難する
地震が起きたとき、対処法の大原則は頭を守り、自分がいる場所に則した行動を心がけましょう。