テレビや新聞のニュースで振り込め詐欺という言葉が聞かれるようになって久しく、様々なところで注意が呼びかけられていますが、平成30年の被害額はなおも高く、約356億円と報告されています。
今回はそんな振り込め詐欺の代表的4つの手口と今すぐできる12個の対策を解説します。
目次
振り込め詐欺とは
振り込め詐欺とは、電話やはがきなどで相手を騙し、金銭の振り込みを要求する犯罪行為の総称で2004年に警察庁が命名しました。
実はひとくちに振り込め詐欺といってもいくつかの種類があります。
振り込め詐欺の代表的な手口
オレオレ詐欺
オレオレ詐欺とは、電話を利用して親族や警官等を装い、金銭を騙し取ろうとする詐欺の手口のことで、電話をかけてくる犯人が「俺だよ俺」と言うことに由来します。
下記はオレオレ詐欺の典型的な口実なので注意が必要です。
・借金の返済
・会社のお金を使い込んでしまった
・会社の小切手等の重要なものを落としてしまった
・異性を妊娠させてしまった
・交通事故を起こしてしまった
・痴漢で捕まってしまった
最近では劇場型と言われる複数の人物が登場するものや、振り込みではなく直接現金を受け取ったり、宅急便で送らせたりする手口もあるので詐欺と見破るのが難しくなってきています。
還付金詐欺
還付金詐欺とは、電話を利用して公的機関職員を装い、還付金を受け取れるとしてATMに誘導し、詐欺集団の口座に振り込みを行わせる詐欺の手口です。
実際に還付金が受け取れることはなく、ATMの扱いになれていない高齢者をターゲットに誤った振込操作を行わせます。
架空請求詐欺
架空請求詐欺とは、はがきまたはメールなどを利用して使った覚えのない商品やサービスを契約したかのように見せかけ、金銭を騙し取る詐欺の手口です。
はがきやメールには実在する事業者や誰もが知っているような「アマゾン」や「Apple」などの大手企業を装って
・情報サイトの月額料金未納
・未払料金の支払い
・退会手続きがされていない
・個人情報削除金
の名目で支払いを請求してきます。
また、不安を煽るような
・自宅へ出向く
・勤務先を調査
・強制執行
・信用情報機関に登録
等の脅し文句が記載されていることもあります。
融資金詐欺
融資金詐欺とは、お金を貸すと見せかけて保証金の名目でお金を振り込ませ、融資はせずお金を騙しとる詐欺の手口です。
・即日融資します
・だれでも融資します
・金利〇〇%
・300万円まで融資可能
・審査不要
と甘い言葉で借り手を誘惑します。
振り込め詐欺の統計
情勢
警視庁捜査第二課・生活安全企画課の広報資料によると、振り込め詐欺の認知件数は平成22年以降、平成29年まで7年連続で増加していましたが、平成30年は6,493件(前年比-1,719件、-9.4%)と減少しています。
また、被害額は356.8億円(前年比-38.0億円、-9.6%)と平成26年4年連続で減少しており、近年の警察や金融機関、報道番組での対策や啓蒙活動が一定の効果をもたらしているといえます。
しかしながら、認知件数・被害額ともに高水準で推移しており、深刻な社会問題となっています。
東京、埼玉、神奈川、大阪など大都市を中心に多くの被害が出ており、1件あたりの被害総額は約230万円近くになっています。
主な手口別の認知状況
警視庁捜査第二課・生活安全企画課の広報資料によると、「オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」の2手口で認知件数全体の84.8%を占めます。
認知件数全体のほとんどを占める「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」が振り込め詐欺の三大代表格といわれています。
振り込め詐欺対策
自分は大丈夫と思わない
被害にあわれた方のほとんどが「まさか自分が被害にあうとは思ってなかった」と話しています。
ひとごとと思わず、前もって対処法をご家族で検討しましょう。
知らない番号からの電話には出ない
そもそも知らない番号や非通知からの電話に出なければ、電話を使った詐欺に遭う可能性がグンと低くなります。
しかし、大事な要件を伝える電話の可能性もあるので全てを無視するのは難しいかもしれません。
そんな方には留守番電話を設定しておく対策がいいかもしれません。
留守番電話を設定しておく
大事な要件であれば留守番電話でメッセージを残す場合が多いので、どんな相手か確認して出ることができます。
不審な電話にいきなり対応することを防げますし、詐欺の犯人が証拠になるような留守番電話でメッセージを残す可能性が少ないので有効な対策といえます。
電話機の録音メッセージの設定
電話機には呼出音が鳴る前に通話を録音するというメッセージを流すことができるタイプがあります。
詐欺の犯人は証拠が残るのを避ける傾向にあるので設定することをおすすめします。
呼出音の注意喚起アナウンス機能の設定
電話がかかってきたときに、着信の呼出音と「迷惑電話にご注意ください」などの注意喚起アナウンスが交互に繰り返される機能です。
ナンバーディスプレイ機能の設定
登録しておいた電話番号からかかってくると名前が表示される機能です。
個別にオプション契約が必要な場合があります。
通話録音機能の設定
電話に出ると自動的に録音を開始する機能です。
録音されていれば怪しい電話を切ってからでも情報を整理して確認することができます。
通話拒否機能の設定
詐欺の犯人は冷静な判断をさせないようにあの手この手で電話を切らせてくれません。
そんな時に、チャイム音等を流して電話を切る口実を作ることができる通話拒否機能がついている電話機があります。
ご自身の電話機に機能がついているか一度確認してみましょう。
家族の間で合言葉を決めておく
家族の間で本人を確かめるための合言葉を決めておくといいでしょう。
本人に必ず確認する
家族や親族になりすました人物に金銭を要求されたら、必ず本人に確認しましょう。
すぐにつながらない時でも、絶対に本人と確証が得られないまま、振り込みはしないようにしましょう。
電話相手の情報を聞き出しメモする
警察や金融機関、役所などの職員になりすました人物から電話があった場合、「氏名」「所属」「電話番号」を聞き出し、メモをとるようにしましょう。
電話を切ったあとに、実在する本物の警察などに連絡をして、聞き出した情報の人が存在するのか、自分にかけた事実はあるのか確認することが大切です。
ATMの利用限度額を下げておく
一日に振り込みできる上限額を下げておけば、被害を最小限に抑えることができます。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
振り込め詐欺の12個の対策を振り返ると
・自分は大丈夫と思わない
・知らない番号からの電話には出ない
・留守番電話を設定しておく
・電話機の録音メッセージの設定
・呼出音の注意喚起アナウンス機能の設定
・ナンバーディスプレイ機能の設定
・通話録音機能の設定
・通話拒否機能の設定
・家族の間で合言葉を決めておく
・本人に必ず確認する
・電話相手の情報を聞き出しメモする
・ATMの利用限度額を下げておく
振り込め詐欺で被害にあわないように、決して自分には関係ないと思わず、事前に対策をしておきましょう。