日本人の死亡原因の第一位であるがん。
日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんにかかると言われ、発見が遅れるほど治る確率が低く、治療をしても再発する可能性が高いとてもやっかいな病気です。
今回はそんながんの5つの予防法と基礎知識を解説します。
目次
がんについての基礎知識
がんとは
がんとは身体の細胞の一部が傷つくことにより変化し、変化した細胞(がん細胞)が増殖しながら身体を蝕む病気です。
がん細胞は正常な細胞から栄養を奪うため、身体は衰弱し体重が激減していきます。
がん細胞が増殖し身体中に広がると、やがて生命の維持が困難になります。
がんの種類
がんには身体のどこで発生するかにより種類が分かれます。
部位別のがん死亡数で男性は肺がんが第一位で、女性は大腸がんが第一位です。
近年、男女ともに胃がんは減少傾向にありますが、膵臓がんが増加しています。
女性では乳がんも年々増加しています。
がんの症状(種類別)
がんの症状も部位により異なります。
以下に主要ながんの部位別症状を解説します。
肺がん
肺がんの主な症状は咳や胸の痛み、呼吸困難などがありますが、肺がん特有の症状というのはなく、肺がんが進行してもこうした症状が出ない場合もあります。
そのため早期発見が難しいといわれています。
大腸がん
大腸がんの主な症状は血便です。
大腸がんの早期では自覚症状もなく、がん検診や人間ドックで見つかることがほとんどです。
胃がん
胃がんの主な症状は、体重の減少や消化器官からの出血などですが、胃がん特有の症状はなく、これらの症状をきっかけに検査を受けることにより発見されます。
膵臓がん
膵臓がんの主な症状は食欲不振や体重減少がありますが、初期に強い自覚症状がないため早期発見が難しいといわれています。
乳がん
乳がんの症状の9割以上は痛みのないしこりです。
また、乳頭から分泌液が出る場合もあります。
がんの原因(種類別)
がんはさまざまな要因により、発症すると考えられており、特定の事象を原因と決定づけるのは難しいといわれています。
確実にがんの発症に影響があると言われているのはたばこや食生活です。
また、遺伝や環境も影響を及ぼすこともあります。
以下に主要ながんの部位別原因を解説します。
肺がん
肺がんは喫煙の影響が非常に大きいがんです。
研究によると、たばこを吸う人と吸わない人では約4倍も発症リスクが違うとあります。
大腸がん
大腸がんは運動不足、野菜や果物の摂取不足、肥満や飲酒が主な要因です。
近年、高脂肪な食品を摂取する食生活の欧米化が影響してか、大腸がんによる死亡数は年々増加しています。
また、家族で大腸がんになったことがある人がいる場合もリスクを高めます。
胃がん
胃がんは食事での塩分の取りすぎや喫煙、ストレスが主な要因です。
近年、ピロリ菌が胃がんの発症に大きな影響を及ぼすことがわかってきています。
膵臓がん
膵臓がんは発生率が低かったためあまり研究が進んでおらず、はっきりとした原因はわかっておりません。
ただし、喫煙と肥満がリスク要因といわれています。
乳がん
乳がんの原因については、はっきりとしたことはわかっておりません。
ただし、性ホルモンであるエストロゲンが大きな影響を及ぼすといわれています。
エストロゲンに影響を与える要因として、出産年齢が遅い、授乳歴がない、飲酒、閉経後の肥満などがあります。
がんの予防法
がんを完全に防ぐことはできないですが、がんの発生には生活習慣が大きく影響するので、普段の生活習慣を見直すことが大切です。
たばこを吸わない、他人のたばこの煙は避ける
たばこはがんだけではなく、さまざまな病気のリスクとなります。
たばこの煙は喫煙者自身だけではなく、副流煙が周りの人にも影響を与えるので注意が必要です。
飲酒は適量にする
飲酒は大腸がんといったがんのリスクになります。
飲む場合には節度ある適量を飲むことが大切です。
1日に日本酒なら1合、ビールなら大瓶1瓶、ワインならボトル3分の1ほどがいいでしょう。
食事は偏食せずバランスよく
がんを確実に防ぐ食材はありませんが、リスクを下げる方法はあります。
塩分を控え野菜や果物を上手く食生活に取り入れるのがいいでしょう。
適度な運動をする
運動をする人はがん全体の発生リスクが低くなるとされます。
まず、エスカレーターを使わず、階段を使うなど簡単なことから始めてみるのがいいでしょう。
太りすぎず、痩せすぎない
「社会と健康研究センター予防研究グループ」の調査によると、太りすぎはがんだけではなくさまざまな病気のリスクを高め、痩せすぎは免疫力を弱めて感染症のリスクがあると報告されています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回はがんについて5つの予防法と基礎知識を解説しました。
がんは日本人の死亡原因の第一位ですが、完全に防ぐ方法はまだありません。
しかし、普段の生活習慣が大きな影響を及ぼすので、生活習慣を見直してがんを予防しましょう。