日本人の死亡原因の第一位はガン、第二位には心疾患があり、第三位に脳卒中があります。
脳卒中は脳で起きる病気で、症状が悪化すると脳の細胞が死んでしまいます。
そのため障害が残る場合や、最悪死に至る場合もある大変怖い病気です。
今回はそんな脳卒中の6つの予防法と基礎知識を解説いたします。
目次
脳卒中とは
脳の血管が破れるもしくは詰まることにより脳の神経細胞がダメージをうけ、場合によっては障害が残ることがある病気です。
また、最悪の場合、死に至ることもあります。
脳卒中の種類
大きく分けて「脳の血管が破れるもの」と「脳の血管が詰まるもの」の2つがあります。
脳の血管が破れるもの
脳出血
脳出血とは脳の細かい血管が破れることにより、脳に出血を起こす病気です。
くも膜下出血
くも膜下出血とは脳の表面にある大きな血管が破れることにより、くも膜(脳脊髄を覆う膜)の下に出血を起こす病気です。
脳の血管が詰まるもの
脳梗塞
脳梗塞とは脳の血管が詰まることにより、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が死滅してしまう病気です。
脳卒中の前兆
脳出血の場合
脳出血は突然、脳の血管が破れて出血する病気なので前兆症状はありません。
しかし、脳の血管が破れるのは高血圧に起因することが多いので、血圧の高い人や頭痛が頻発する人は病院で診察を受けることをおすすめします。
くも膜下出血の場合
くも膜下出血も脳出血と同じく前兆がないことがほとんどです。
しかし、本格的に大きい血管が破れる前に少しだけ破れて、少量の出血を起こし、神経を圧迫することがあります。
その場合、軽い頭痛の症状が現れることがあり、これは「警告頭痛」と呼ばれますが、ほどんどの人が「くも膜下出血」と見抜くことができず、病院に行く人は多くありません。
「頭痛がする」、「まぶたが下がる」、「血圧が乱高下を繰り返す」などの症状があった場合は、くも膜下出血の可能性があるのでただの頭痛などと思わず、病院で診察を受けることをおすすめします。
脳梗塞の場合
脳の血管が詰まる脳梗塞は、血管が破れる脳出血やくも膜下出血と比べると、前兆症状がある場合が多いです。
多くの場合、左右どちらかの手足に力が入らなくなったり痺れたりする運動麻痺が起こります。
また、運動麻痺は顔に起きることも多く、顔の半分が下がることがあります。
このように麻痺や痺れが身体の半分に起こった場合は、脳梗塞の可能性があります。
また、ろれつが回らなくなったり言葉や文字を理解できなくなったりする「言語障害」も前兆の一つです。
もしこのような症状が一つでもあったら、脳梗塞の可能性がありますので、一度病院での受診をおすすめします。
脳卒中の症状
脳出血の場合
脳出血が起きると多くの場合、突然頭痛を感じたり吐き気があったり嘔吐してしまうことがあります。
また、身体の左右どちらかの半身が麻痺したりろれつが回らなかったりなど、さまざまな症状があります。
出血量などによっては昏睡状態に陥ることがあります。
くも膜下出血の場合
一番の特徴として、くも膜下出血が起こると「頭を鈍器で殴られたような」激しい頭痛があります。
ほかに意識が朦朧とすることや、嘔吐したり物が二重に見えたりすることがあります。
脳梗塞の場合
脳梗塞は脳の血管が詰まることにより脳がダメージを受けますが、脳出血やくも膜下出血と違い、突然発症するということがほぼありません。
「運動麻痺」や「言語障害」などなにかしらの前兆症状があり、症状が悪化していきます。
脳梗塞では最初の症状が軽くなったり、消えたりすることもありますが、様子を見ているとどんどん悪化したり、消えた症状が再び現れたりすることがあります。
脳卒中の原因
脳出血の場合
脳出血の最大の原因は高血圧にあります。
高血圧の状態で長年暮らしていると脳の血管に負担がかかり続け、血管の壁が傷つきます。
これにより血管が破れ、血液が脳の中に溢れ出てしまいます。
高血圧は普段の生活習慣に依存するものです。
ですから、原因は普段の生活習慣にあると言うこともできます。
くも膜下出血の場合
くも膜下出血の最大の原因は先天的な脳血管の異常です。
脳の表面は脳脊髄液でみたされている「くも膜下腔」で覆われています。
くも膜下出血は、この「くも膜下腔」の中にある大きい血管にもともと異常があって、それが破裂したときに「くも膜下出血」になります。
脳梗塞の場合
脳梗塞の原因は脳血管の中に出来た血栓(血のかたまり)や心臓の不整脈で出来た寒栓(異物=血のかたまり)が詰まり血流を止めてしまうからです。
この血栓や寒栓は血液が固まることにより発生します。
脳卒中の予防法
脳卒中の予防には普段の生活習慣の改善が効果的です。
高血圧に気を付ける
高血圧は血管に負担がかかり脳卒中のリスクを高めます。
高血圧にならないためには、塩分摂取を控え、適度な運動を行うといいでしょう。
糖質の摂取に気を付ける
過剰な糖質(炭水化物)の摂取は中性脂肪となって体内に蓄えられます。
内臓に付いた内臓脂肪からは、高血圧を引き起こす物質や血栓を作るホルモンが分泌されることが明らかになっています。
たばこを吸わない
たばこの煙にはさまざまな有害物質が含まれています。
その中のある物質は血管を狭める作用があります。
長年たばこを吸われてきた人でもやめた分だけ予防効果があります。
今からでも遅くないので禁煙を始めてみましょう。
アルコールの摂取に気を付ける
アルコールは適量を飲む分にはかまいませんが、量が多すぎると身体に毒です。
なぜなら、アルコールを過剰に摂取すると血圧が上昇したり、アルコールの分解で体内の水分が失われたりするからです。
1日1合程度であれば、適量といえるでしょう。
バランスのいい食事をする
バランスのいい食事は高血圧や動脈硬化を予防します。
偏食を避け、牛肉や豚肉などの肉類の脂身の多い部分は控えましょう。
また、魚介類や野菜、果物を十分に取るのを心掛けましょう。
睡眠不足やストレスに気を付ける
睡眠不足やストレスは血圧を不安定にします。
リフレッシュする趣味を見つけ、夜ふかしには気をつけましょう。
水分をとる
血液に水分が少ないと血液がドロドロします。
ドロドロの血液は血栓や寒栓の原因です。
また、夏場は脱水症状の危険もあるので、普段からしっかり水分をとる必要があります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は脳卒中について基礎知識と予防法を解説しました。
脳卒中は脳で起こり、死に至らなくても障害が残る可能性がある危険な病気ですが、普段の生活次第でリスクを下げることができます。
脳卒中を防ぐためにも、普段の生活から見直していくべきでしょう。